概要
「Ruler」は、複数のAIコーディングエージェントへのルール配布を自動化するCLIツールです。開発チームに複数のAIツールが混在するようになった今、それぞれの設定ファイルを個別に管理する手間は無視できません。
田中さんのチームでは、Claude Code・Cursor・GitHub Copilotを使い分けていました。コーディング規約を更新するたびにCLAUDE.md・.cursor/rules・.github/copilot-instructions.mdを手作業で同期していたため、毎回10分以上かかっていました。Rulerを導入してからは、.ruler/AGENTS.mdを1か所編集してruler applyを実行するだけで全エージェントの設定が揃います。作業時間は90秒に短縮されました。
.ruler/ディレクトリをGitリポジトリで管理すれば、チーム全員が同じAIエージェント設定を共有できます。新メンバーが加入しても、ruler applyの1コマンドで即座に全設定が展開されます。
主な機能
- 一元管理:
.ruler/ディレクトリをすべてのAIエージェントルールの単一ソースとして運用できる - 自動配布:
ruler applyコマンドで対応エージェント固有の設定ファイルへルールを自動展開する - 30以上のエージェント対応: Claude Code・GitHub Copilot・Cursor・Windsurf・Aider・Cline・Amazon Q CLIなど幅広いツールをサポートする
- ネスト構造:
--nestedフラグでモノレポの各ディレクトリに独自の.ruler/を配置し、コンポーネントごとに異なるルールを適用できる - MCPサーバー設定の同期:
ruler.tomlでModel Context Protocolサーバー設定を定義し、対応エージェントへ一括配布できる - スキル管理(実験的):
.ruler/skills/に格納したスキルパッケージをネイティブ対応エージェントへ自動コピーする - 安全なリバート:
ruler revertで生成ファイルをバックアップから元の状態へ即時復元できる
技術スタック
- 言語: TypeScript
- ランタイム: Node.js 20以上(
^20.19.0 || ^22.12.0 || >=23) - 配布: npm(
@intellectronica/ruler) - 設定形式: TOML(
ruler.toml)、Markdown(*.md) - ライセンス: MIT
導入方法
グローバルインストールが推奨です。
npm install -g @intellectronica/ruler
プロジェクトルートで初期化すると.ruler/ディレクトリと設定ファイルが生成されます。
cd your-project
ruler init
.ruler/AGENTS.mdにコーディングルールを記述してから適用します。
# 全エージェントへ一括適用
ruler apply
# 特定エージェントのみ対象にする場合
ruler apply --agents claude,copilot,cursor
# 変更内容をプレビューしてから実行する
ruler apply --dry-run
特定のエージェントの設定を元に戻したい場合は以下を使います。
ruler revert --agents claude
競合比較
| 機能 | Ruler | 手動管理 | dotfiles管理 | 各ツール公式連携 |
|---|---|---|---|---|
| 対応エージェント数 | 30以上 | 無制限(手作業) | リポジトリ依存 | 各ツールのみ |
| 単一ソース管理 | ○ | ✕ | △(シンボリックリンク) | ✕ |
| MCP設定の同期 | ○ | ✕ | ✕ | △ |
| CI/CD統合 | ○ | ✕ | ✕ | △ |
| ネスト構造(モノレポ) | ○(実験的) | ✕ | ✕ | ✕ |
| セットアップ時間 | 5分以内 | エージェント数×手作業 | 初期コスト大 | エージェント数×手作業 |
| スキル配布 | ○(実験的) | ✕ | ✕ | ✕ |
Rulerの強みは「AIエージェント設定の自動化」に特化している点です。MCPサーバーの設定を複数ツールに同期したい場合、MCP Managerとの組み合わせも効果的です。汎用dotfiles管理ツールと異なり、各エージェントのファイル形式・パスを熟知した上で変換・配布処理を行います。
こんな人におすすめ
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複数のAIツールを日常的に使い分けているエンジニア: Claude Code・Cursor・GitHub Copilotを状況に応じて切り替えている人は、ルールの二重管理から解放されます。
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チームのAI活用標準化を担うテックリード: 全メンバーが同一のコーディング規約をAIから提案してもらえる環境を、リポジトリ管理だけで実現したい人に最適です。
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モノレポを運用しているチーム: コンポーネントごとに最適なAIガイドラインを設定したい場合、ネスト構造が課題を解決します。
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新しいAIエージェントを積極的に試している開発者: ツールが変わっても設定の移行コストを最小化したい人に向いています。
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CI/CDでAI設定の同期を自動化したいチーム: GitHub Actionsと組み合わせることで、
.ruler/の変更をトリガーにエージェント設定のズレを検知・修正できます。