LayerXのエンジニア杉野和馬が2月26日、「開発生産性のその先へ、AI生産性について語りたい」と題したイベントで、AI導入の実態を分析した資料を公開した。国内外の事例を調査し、AI投入がもたらす生産性向上の構造を「腑分け」する試み。江戸時代の医学者杉田玄白が実際の人体解剖でオランダ医学書の図と日本医学の五臓六腑図の乖離を発見したように、AI時代の生産性についても高解像度のモデルを描くことを試みている。
杉野は投資領域を2つの軸で可視化。横軸は「スコープ(個人・チーム・組織)」、縦軸は「ライフサイクル工程(戦略から運用まで)」。プロットすると、現在の熱狂は「実装×個人」と「設計~テスト・QA×個人~チーム」に極度に集中していることが露呈する。現状のAI導入は個人やチーム単位のツール導入に集中する一方で、組織全体の開発力を底上げするケースは稀。また、戦略や要件定義、デプロイ、運用の領域ではAI導入事例がほぼ存在しない状況が浮き彫りになった。
| ツール・手法 | 対象スコープ | 特徴 | 導入難度 |
|---|---|---|---|
| GitHub Copilot | 個人・実装 | コード補完機能 | 低 |
| Cursor | 個人~チーム・設計~実装 | IDE統合型のAIアシスタント | 中 |
| Claude Code / Devin | チーム・計画~テスト | エージェント型の自動実行機能 | 高 |
| エンタープライズ向けソリューション | 組織全体・要件~運用 | 開発ライフサイクル全体をカバー | 超高 |
自組織の開発ライフサイクルを縦軸に、スコープを横軸にした2×3マトリクスを描き、現在のAI導入事例をプロットしてみる。空白領域が見える場合、そこが次の投資機会。杉野の資料はSpeaker Deckで公開中。Forkwell connpassでは関連イベント継続開催予定。
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