この記事ではClaude Codeに特化して解説します。Claude Code全般は Claude Code完全ガイド2026:インストールから本番運用まで をご覧ください。

本記事の訂正(2026-08-14)

旧版は「HackerNewsで話題のRses」「注目を集めている」と記載していたが、実測と合わないため訂正した。該当のShow HN投稿(HN item 47528990、2026-03-26、投稿者 plawlost)は実在するものの、スコア14・コメント4件である。さらに 2026-08-14 時点で npm に rses パッケージは存在しない(レジストリが404を返す)。旧版が挙げていた「エラー検出精度の向上」「レガシーコード対応」などの効果も、検証可能な根拠が確認できないため削除した。

この記事のポイント(30秒でわかる要点)

問題 Codex CLI・OpenCode・Claude Code は互いのセッションを読まない。ツールを跨いだ瞬間に文脈がゼロに戻る
Rsesとは その引き継ぎを自動化するCLIとして Show HN に投稿されたもの。rses claude with codex --last のように使う想定
実態 投稿は実在するがスコア14・コメント4件npm未公開で、読者が試せる配布物は確認できない(2026-08-14実測)
現実解 専用ツールを待つより、リポジトリ内のファイル(AGENTS.md / CLAUDE.md / git履歴)を共有の受け渡し場所にするのが確実
理由 どのCLIも同じ作業ツリーを読む。会話履歴は共有されないが、ファイルは必ず共有される

何が問題なのか——ツールを跨ぐと文脈が消える

ターミナルベースのAIコーディングツールが複数並立している。Anthropic の Claude Code、OpenAI の Codex CLI、コミュニティ発の OpenCode——それぞれ得意領域が異なるため、使い分けたい場面は現実に存在する。

ところが各ツールはセッションを独自形式で個別に保存しており、互いに読まない。Codex で調査と設計を進めたあと Claude Code に切り替えると、そこまでの会話・試行錯誤・判断理由がすべて失われる。人間が要約を書いて貼り直すか、同じ調査をもう一度やらせることになる。

失われるのは会話ログそのものより、そこに含まれる前提である。「このライブラリは試したが動かなかった」「この設計にしたのは互換性のため」といった判断理由が消えると、次のツールは同じ失敗を繰り返す。

Rsesが提案していたもの

Show HN の投稿本文によれば、Rses は次のように動くものとして説明されていた。

rses claude with codex --last

Codex のセッション(タスク内容・git log・直近Nターン・セッションファイルへのポインタ)を読み取り、構造化した引き継ぎ文を組み立て、それを最初のメッセージとして Claude を起動する——という流れである。Claude Code / Codex CLI / OpenCode の6方向すべてに対応するとされていた。投稿者は約1,200行・npm依存は commander 1つのみ・設定ファイル不要・Node 22以降の組み込みSQLiteを利用、と説明している。

設計としては筋が通っている。会話全体を丸ごと移すのではなく、引き継ぎに必要な情報だけを構造化して渡すという割り切りである。

実測:現時点で試せるのか

結論から書くと、試せない。2026-08-14 時点で確認した内容は以下のとおりである。

確認項目 結果(2026-08-14 実測)
Show HN 投稿の実在 あり(HN item 47528990、2026-03-26、投稿者 plawlost)
HNスコア / コメント数 14 / 4件(「話題」と呼べる水準ではない)
npm パッケージ rses 存在しない(レジストリが404を返す)
公開リポジトリ 特定できず

投稿から約4か月半が経過しているが、配布物が公開された形跡は確認できなかった。アイデアの提示にとどまっている、というのが現時点の妥当な理解である。したがって本記事では「導入手順」を書かない。書けば実在しない手順を案内することになるためである。

現実的な代替:ファイルを受け渡し場所にする

専用ツールが無くても、引き継ぎ自体は今日できる。どのCLIも同じ作業ツリーを読むという一点を使えばよい。会話履歴は共有されないが、リポジトリ内のファイルは必ず共有される。

graph TD A["Codex CLI で調査・設計"] --> B["判断理由を AGENTS.md に追記
進行状態を git コミットに残す"] B --> C["作業ツリー
(全CLIが共通で読む)"] C --> D["Claude Code を起動"] D --> E["AGENTS.md / CLAUDE.md と
git log を最初に読ませる"] E --> F["前提を引き継いだ状態で継続"] C -.->|"会話履歴は
共有されない"| X["各CLI固有の
セッション保存領域"]

実務上の要点は3つある。

判断理由をファイルに書く:「なぜこの実装か」「何を試して失敗したか」を AGENTS.mdCLAUDE.md に残す。次のツールはこれを読めば前提を復元できる
進行状態はgitに残す:作業途中でもブランチを切ってコミットしておく。git log は全ツールが読めるうえ、時系列も保持される
切り替え時に明示的に読ませる:新しいCLIを起動したら、まず該当ファイルと直近の差分を読ませる。自動では読まないことがある

この方法は Rses のような自動化と比べれば手間がかかる。ただし依存が増えず、どのツールの仕様変更にも壊されないという利点がある。CLIの世代交代が速い現状では、この頑健さの価値は小さくない。

各ツールの現状

ツール 提供元 特徴 セッション共有
Claude Code Anthropic ターミナルベース、エージェント型 独立。MCP経由の拡張は可能
Codex CLI OpenAI ターミナルベース、ローカル実行 独立
OpenCode コミュニティ オープンソース、マルチモデル対応 独立(複数プロバイダ対応)
GitHub Copilot Microsoft/GitHub IDE統合型 VS Code統合

MCP のようなプロトコル標準化が進めば、ツール間のセッション共有が技術的に成立する余地はある。ただし各社が自社CLIの体験を作り込んでいる現状では、共通のセッション形式が近く揃うと期待しないほうが現実的である。当面はファイル経由の引き継ぎが基本線になる。

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参照ソース


この記事はAI業界の最新動向を速報でお届けする「AI Heartland ニュース」です。